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屋根の大敵!梅雨がやってきます

住宅が劣化してしまう原因、それは「水の侵入」です。屋根から入った水がお家を腐らせてしまうんですね。となると、屋根にとって一年間で最も不安要素が多いのは梅雨の期間。雨漏りしてしまうお家が一気に増えてきます。

そこで今回は、梅雨の時期に最適な「防水塗料」というものをご紹介していきます!

  

 

雨水の浸入を防ぐ!「防水性能が高い塗料」って?

雨水の侵入を防ぎ、外壁材の劣化を予防する防水性能の高い塗料のことを「弾性塗料」と呼びます!

では一体、どのようなメカニズムで防水機能を発揮しているのでしょうか。

弾性塗料の一番の特徴は一般的な塗膜と比べてゴムのような弾力・塗膜に柔らかさがあることです。この塗膜の弾性(塗膜の伸縮性)があることで、外壁のひび割れに塗膜が適応します。

弾性塗料(伸縮率200~600%程度)は他の一般塗料(伸縮率100%程度)よりも伸縮性に優れており、ひび割れに合わせて塗膜が伸び、割れた箇所をカバーすることで水の浸入を防ぎます。

伸縮性を持たない一般的な塗料であると、外壁にひび割れが起きた際に一緒に塗膜まで割れてしまい、ひび割れが表面から出ることでそこから水が浸入してしまいます。

このように「水の浸入から住宅を保護する」という観点から見ると、弾性塗料は非常に重要な役割を果たす塗料と言えます。

 

弾性塗料の注意点

便利な弾性塗料ですが、物によって仕上げ方法や工事工程数が異なるため、注意が必要です。ここでは3つの仕上げ方法を紹介します。

①単層弾性仕上げ

単層弾性仕上げは【下塗り1回、上塗り2~3回】の工程で仕上げます。素地(外壁)に適応している下塗り材を塗布し、その上に弾性塗料を塗布するという方法。一般的な戸建て住宅では、この方法が多く用いられます。

  

①複層弾性仕上げ

複層弾性仕上げは【下塗り1回、中塗り2回、上塗り2~3回】の工程で仕上げる方法です。こちらは中塗りと上塗りで使用する塗料が異なります。
この方法は単層弾性仕上げよりも工程数が多い故に塗膜に厚みを持たせることができ、より防水性能を発揮することができます。しかし工程数が増えるため、施工に時間や材料費、人件費等が多くかかり工事金額が単層弾性仕上げよりも高額になってしまうというデメリットもあります。

一般の戸建て住宅で採用されることは極めて稀ですが、工場の屋上防水等、防水工事をされる場合はこの方法が採用されることが多いです。

③微弾性塗料仕上げ

微弾性塗料仕上げは【下塗り(微弾性フィラー)1回、上塗り2回】の工程で仕上げる方法です。これは「微弾性フィラー」と呼ばれる伸縮性のある下塗り材を使用した方法です。上塗り材は厚く塗りすぎると塗膜が割れたりするリスクがありますが、下塗り材の場合、厚く塗れば塗るほど高い性能を発揮します。粘度が高い下塗り材のため、小さなひび割れ程度であればすぐに埋めることが可能です。

 

 

弾性塗料に適した下地と適さない下地

弾性塗料には、その性能を発揮しやすい下地と劣化状況によっては発揮しにくい下地があります。

発揮しやすい下地

最も性能の活かせる下地は、「モルタル」です。セメントと砂、水を練り混ぜた建築資材で、素材の性質上、ひび割れを起こしやすい資材になっています。
経年劣化や建物の揺れ等の影響で表面にひびが入りやすいモルタルには、弾性塗料がうってつけと言えるでしょう。

 

発揮しにくい下地

モルタルに対して、弾性塗料と相性の合わない下地は「窯業系サイディング」です。

窯業系サイディングとは、板状の外壁材で内容成分の80%がセメント、残りの20%が繊維質、増量材で形成されている資材のこと。現在では日本の新築住宅の約80%にこの窯業系サイディングが使用されています。

窯業系サイディングはモルタルよりも蓄熱性が高いため、その熱によって弾性塗料の塗膜が伸縮し、最終的に外壁表面に「膨れ」や「剥がれ」が発生してしまう可能性があります。

そのため、窯業系サイディングを弾性塗料で施工する場合は以下のことに注意して下さい。

①サイディングに反りがなく、水分を吸収した痕跡がないか。
②既存塗膜に「膨れ」、「剥がれ」が発生していないか。

塗装を行う前に、業者と一緒に家の周りを1度確認し、上記のような症状が見られないか確認をしましょう。上記の内容が当てはまる場合は、弾性塗料での塗替えはオススメできません。

 

まとめ

今回は防水のための塗料「弾性塗料」についてご紹介しました。いくつか注意点はあるものの、お家の外壁の事情、状況によっては高い効果を発揮する塗料と言えます。塗料にはその時々に応じた様々な性質を持つものがたくさんあるので、ご興味をお持ちの方はぜひ調べてみてくださいね。

 

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